海外向けコンテンツで出遅れている日本
一般にホームページには自国以外の様々な国からのアクセスがあるものです。英語のホームページを制作していれば、アメリカやその他欧米諸国以外にも、南アフリカやアルゼンチンなど様々な国から訪問者が来るため、少しアクセス統計を見るのが楽しくなります。
さて、日本のホームページは特に外国人に対して優しくないことで知られています。なんと
香港が83%、中国が9%と近隣諸国が国外からのアクセスを順調に伸ばしている中で、いかに日本のサイトが閉鎖的かが浮き彫りとなってしまいました。これほどまでに日本の商品が世界中でありがたがられる中で、ショッピングサイトにしても英語圏への販売を積極的にしているものはあまり見られません。それは非常にもったいない話です。
ホームページの多言語化に関して
ホームページを多言語化すれば、サイトのコンテンツによっては従来もの何倍ものアクセスが見込めるでしょう。英語以外にも、中国語への翻訳も非常に重要といえます。とはいっても、大手大学サイトや医療機関のサイトを見ても、多言語化のノウハウを正しく習得しているホームページ制作業者は多くないようです。
ホームページの多言語化は専門性が大きく求められる部分ではあり、今回は多言語化を行う前に考えてみることをいくつか書いてみることにします。
多言語サイトの定義
面倒くさいかもしれませんが、ここで最初に少し定義しておきます。多言語サイトというのは、「2つ以上の言語表示が可能である1つのホームページ」と考えます。英語サイトと日本語サイトと2つのサイトを持ち、2倍の労力で運営するのではなく、2つの言語をもつサイトを1.5倍程度の労力で運営するサイトのことです。ロゴを変更したら日本語版、英語版ともに同じものが適用され、日本語の記事を記入したら次は英語の翻訳版を記入する、といったようなサイトです。サイトのコンテンツによっては、日本語でコンテンツを入力した場合に自動的に多言語化するようなシステムも可能です。
多言語化が可能なサイトかどうか
まず現在サイトをお持ちの場合、システム的に多言語化が可能かどうかを考えてみしょう。WordPress、Drupal、JoomlaなどのCMSにより制作されたホームページの場合は基本的に今後の多言語化が可能です。アメーバブログやWeeblyなどのいわゆる「お手軽ブログ」のようなサービスで作成したホームページの場合は基本的に不可能(英語サイトを1から作れば可能ですが、この場合は「言語切り替え」のようなことが可能なサイトを指します)です。また、多言語化を意識する場合、制作段階から多言語化が可能なような構造にしていく必要があります。
多言語化に踏み切るタイミングについて
ホームページ製作完了後、1~2ヶ月以降が望ましいでしょう。「ホームページの運営(更新)がルーチン化してきた」頃がタイミングです。さて、それはなぜでしょうか。ホームページのコンテンツを大きく「記事」と「記事以外」の部分に二分した場合、ホームページ制作中、制作後に大きく力を割くのは「記事以外」の部分です。ここで、記事とはスタッフブログや製品情報などの「コンテンツ」部分であり、この記事もそうです。記事以外とは、画像部分であったり下のメニューのタイトルであったり、検索時のエラーに表示される文字であったり、記事以外の様々な部分に文章が散りばめられています。そういった部分は最初に固定されておくべきであり、多言語化した後に変更するとなると、「翻訳元の文章」「翻訳用の文章」の二つを同時に変更しなければならなくなります。
画像なども、「やっぱりこれに差し替えたい」と日本語の入った新しい画像を持ってきた場合、その日本語部分を英語にした画像も用意する必要があります。更に一つデザインを大きく変えると、他のデザインと調和しなくなり、全体的に画像を治したくなります。そのため、多言語化は全体が「安定」してからがベストです。